22 Dec, 2017

【イベントレポート】『10/8 INTEGRITY JAPAN TOUR in Osaka Hokage』

music

去る2017年10月8日に開催された、INTEGRITY JAPAN TOURの大阪編。本ツアーでも屈指の暗黒度を誇る出演陣が揃ったこともあり、恐らく共演者が発表されたタイミングから、これはとんでもない日になるだろうと大きな期待を抱いた人々も多かったはずだ。場所は大阪アメ村の中心に位置する、心斎橋火影。今回の素晴らしい国内バンドのブッキングを実現させたPALMのVo.高橋氏がオーナーを務め、多種多様なライブイベントが日々開催されており、なおかつハードコアやパンク・メタルなどラウドミュージックの最前線を体感できる大阪でも有数のライブハウスとなっている。

 

flyer

 

TIMEBOMB RECORDSにて今回別で実施したインタビューの際にも少し話題に出た、約2年前に開催されたFULL OF HELL・WEEKEND NACHOSのJAPAN TOURでも満員御礼となり、凄まじい内容で伝説的な1日になったのは記憶に新しい。この2バンドはいずれも現在のINTEGRITYのギターであるDomが運営するA389recordingsからのリリースでも知られている。その前後あたりの時期から大阪、そして特にこの火影で開催される陰影の濃いメンツが揃うライブに、細かいスタイルの違いを超えて安定して多くのオーディエンスが詰め掛けるようになってきた。実際この日もキャパオーバー級の集客で、各出演バンドの前売り予約はライブの数日前に打ち切られるなど、予想を超える盛況っぷりで当日を迎えた。ハードコアやパンクの世界でも個性的なバンドやグループを数多く生み出してきた大阪や関西、そんな中で確実に新たな潮流を生み出しつつある流れは、この日にも凝縮されていたようにも思う。

 
 

■ RUNNER


 

この日のトップバッター。もう若手と呼べる歳でもない30歳前後のメンバーが大半だが、当日のラインナップでは最年少となる関西のバンドだ。首がもげるようなハイゲインのグラインドサウンドに、思わず身体がもっていかれるようなメタリックなビートダウンハードコアをハイブリッドに融合させた2017年のエクストリームサウンド。

 

RUNNER

 

後に出番を控えるPALMでも同じく超絶ドラムを披露するkentaの両腕が唸りまくり、BURNING SIGNではギターを弾く塾長の吐き捨てるような日本語のボーカリゼーションも素晴らしい。途中の曲ではIRATE(NYC)を彷彿とさせるパートも見え隠れするなど、のっけからフロアを高速ヘッドバンギングとスラミングの嵐に巻き込んだ。

 

RUNNER

 
 

■ she luv it


 

大阪はもとより、日本どころか世界を見渡しても類を見ないサイケデリックでアシッドな感触のビートダウンハードコアを叩きつける。混沌としたノイズにまみれた奥底から、ヘビーに刻んだギターリフが顔を覗かせてくる瞬間に覚える心と身体の昂ぶりは筆舌に尽くしがたいものがある。メンバーそれぞれの音楽性は猛烈に広く、パンクやハードコアは勿論、クラスト、ブラックメタル、ノイズ、テクノ、HIPHOP、グライム、ダブ、レゲエ、ニューウェーブとジャンルを上げればキリがない。それぞれバンドを離れた別のフィールドでも名の知れた人間が揃う、まさに異形という言葉が本当に良く似合うハードコアバンドだ。

 

sheluvit

 

この日のメンバーが恐らく現在の正規メンバー?に近いものになるのだろうが、音を合わせるのは初めてだったとか。スラングめいたニュアンスで自らをshe luv it clanとも称したりするが、流動的に支えるサポートのメンバーも含め、謎に包まれたアンタッチャブル感もバンドの色をより濃いものに彩る。暴力的な衝動を究極に封じ込めて解き放ったかのような楽曲に真っ暗な照明の中、オーディエンスはフルモッシュの嵐でこたえていた。

 

sheluvit

 
 

■ SECOND TO NONE


 

そしてここで大阪から220。長く彼らを知るものからは驚くようなハイペースで活動を続けるここ数年。待望であった昨年の1stアルバム『bab-ilu』のリリースを経て、元々際立っていたブルータリティやヘヴィネス、ダークネスに加えて美麗さや深遠さ、さらにはベテランならではの風格など、バンドを取り巻く円のようなものが計り知れない大きさとなっていることを見るたびに実感する。

 

secondtonone

 

この日はハイライトしかないとばかりに、のっけから「river」「wrongside」「forest」など代表曲であるナンバーを立て続けに攻め立てた。時に「儀式」と形容されることがあるように、殺伐としたモッシュピットを含めピンと張り詰めた緊張感の中で、ある種の陶酔感とでもいうか、おもむろに身を委ねてしまいたくなるような心地良さがある。万年繰り返される地獄のごとき重く長い伴奏、そして一気に扉を開くようなギター1本のブレイクパート、そこから雪崩れ込むモッシュパートの圧殺感は唯一無二だ。

 

secondtonone

 
 

■ WARHEAD


 

京都が世界に誇るJAPANESE PUNK/HARDCOREバンドとして長きに渡る活動歴を誇り、80~90'sのバイオレンスな魅力をまごう事なき本物の貫禄で見せてくれる。今回はINTEGRITY側からのラブコールもあって出演が決まった。初っ端から120%のフルテンションでスタートし、そのまま落ちるどころかラストに向けてさらに加速していくという(!)良い意味で大ベテランらしからぬ素晴らしいパフォーマンスに、この日どちらかというと普段は門外漢であったであろうオーバーサイズなバンドTを着たキッズたちも大興奮だった。

 

warhead

 

特筆すべきはラスト2曲の「Don't Give'n To Any Pressure!!」~「月下」。2ビートで畳み掛ける楽曲が比較的多く続いた最後に、ロッキンな8ビートでシンガロングを誘発させるナンバーの連打には、様々なジャンルのオーディエンスがボーカル加藤氏のマイクを掴みにかかって叫び声を上げていた。

 

warhead

 
 


 

物販には常に列が出来ており、中にはメンバーも驚くほどの相当なINTEGRITYマニアもいたようで、ブースは大いに賑わいを見せていた。

 

休憩中

 

会場の地下2階にはBARスペースがあるのだが、この日の多種多様なスタイルのバンドと比例するかのように、様々なバンドTに身を包んだ人間が出演者も客も関係なく入り乱れ、終始バタバタと出入りしては談笑しながらCHILL OUTしに来ていた。こういった光景はライブの一つの醍醐味だと思う。

 

休憩中

 
 

■ PALM


 

先述した火影オーナー高橋氏率いるPALM。近年はメンバーがなかなか固定しない期間を送っていたが、現在のメンバー構成でガッチリと固まってきた感があり、絶賛ジラしプレイ中で長らくリリースが待たれているNEWアルバムからの新曲を交えたセット。短いセットリストながらも、一切休憩なしで連打されたヘヴィでテクニカルな楽曲群は切れ味抜群で、もちろんフロアの盛り上がりも凄まじいことに。

 

palm

 

さらに途中何度も客席へ突っ込んでいく高橋氏に、そんなフロア側が圧倒されてしまう場面も見受けられた。ラウドミュージックの歴史に対し最大限の尊敬を払いつつ、なおかつ凝縮したような楽曲を、高い演奏力とパッションでパフォーマンスにぶつけていく様は他の追随を許さない。圧巻の約20分間であった。

 

palm

 
 

■ CREEPOUT


 

本ツアーの主宰であり、世界中でも何本かの指に入るであろうINTEGRITYマニアのOGK氏が率いるWESTOKYO HARDCORE。INTEGRITY出自の土地であるクリーヴランドはもちろん、アメリカでも郊外や地方のハードコアに影響を受けたであろう、イナタく荒々しいRAZINGな楽曲を次々に披露し、9月末に発売されて間もないNEWアルバム『NEKROPOLIS』からの楽曲はまだ関西のオーディエンスには浸透していないのでは?と思わせるも、様子見しようとするオーディエンスを力技でねじ伏せていく様にはフロアも即座に応えていた。

 

creepout

 

ラスト間際には東京にゆかりある仲間の強烈なVIOLENT DANCINGもあり、一気にNY QUEENSを思わせる治安の悪いピットの様相になる場面も。アンコールも飛び出す盛り上がりでトリのINTEGRITYへ見事にバトンを渡した。

 

creepout

 
 

■ INTEGRITY


 

前回のJAPAN TOURからは約6年ぶり。名門Realpse Recordsからのリリースとなった最新作『Howling, For The Nightmare Shall Consume』を手土産に再来日、この大阪のラインナップにはメンバーもかなり楽しみにしていたようで、オーディエンス側からもそれまでのアクトに対する興奮や期待感が交じり合い、テンションがMAXに達したところでの登場となった。演奏が始まる前からパンパンに埋まっていくフロア、そんな中で始まった1曲目は期待通り、名作『Humanity Is the Devil』からの「Vocal Test」で幕を開けた。そしてさらに同じく期待通りの「Hollow」への流れ。待ちに待ったファンたちの雄叫びと押し寄せる人波が凄まじい熱量を生み出す。

 

integrity

 

integrity

 

決していわゆるウインドミルスタイルのモッシュを誘発させるようなパートが点在するような楽曲ではないにも関わらず、その場のオーディエンスのテンションや各々の解釈が合致し、たびたびフロアの真ん中には激しいピットが出来上がる。新旧織り交ぜたナンバーが続くセットリストは、そのままフロアの温度を最後まで下げることは無かった。メンバー本人たちや周りで支えるスタッフの顔も一様に充実感たっぷりの表情をしていたのも印象的だ。

 

integrity

 

integrity

 

リハーサルでも軽く披露し、メンバー本人も姿を見せに来ていたのもあって期待されていたZOUOの「No Power」カバーは残念ながら無かったものの、敬愛するR.U.G.(ランディ内田グループ)の「Deathly Fighter」のカバー、アンコールの最後にはMISFITS「Hybrid Moments」のカバーも飛び出し、狂乱の一夜が終わった。

 

integrity

 
 


 

まだ興奮状態のINTEGRITYのメンバーに話しかけるや否や、次々に握手や抱擁をせがまれ、汗だくの身体同士で今日一日の満足度を何度も確認しあった。ボーカルのDwidには慣れない英語で話しながら連絡先のメモを渡したのだが、短い時間の邂逅だったにも関わらず「最高のフレンズだ。また必ず連絡するよ。」とギュッと抱き締めてくれた。少年のような屈託のない笑顔と大きな手がとても印象的だった。

 

integrity

 

「Best Show Ever !!」の声が飛び交い、例えようのない高揚感と余韻に浸りながら、最後にDwidとDomがアンプにかけられていたINTEGRITYフラッグを背にしてポーズを決めてくれた。こうして、実に忘れられない1日がようやく終わりを告げたのであった。

 

RUNintegrityER

 
 

■ INTEGRITY
https://www.facebook.com/INTEGRITY.HT/
http://holyterror.com/

 

■ RELAPSE RECORDS
https://label.relapse.com/

 

■ A389recordings
https://a389.myshopify.com/

 

■ CREEPOUT
https://www.facebook.com/creepoutjp

 

■ PALM
https://www.facebook.com/palmjpn/

 

■ WARHEAD
https://www.facebook.com/Warhead-230375090500678/
 

■ RUNNER
https://runner-jpn.bandcamp.com/
 

■ 心斎橋火影 -hokage-
http://musicbarhokage.net/

 
 


 

Photo & Text by TimelessTimes

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